【図解】訪日外国人数、6月は315万人で前年比6.8%減!中国は57%超の大幅減も15市場で6月最高を更新、上半期は2,108万人-日本政府観光局(速報)
日本政府観光局(JNTO)が2026年7月15日に発表した「2026年6月の訪日外客数(推計値)」によると、6月の訪日外国人数は3,148,600人となり、前年同月比で6.8%減となりました。夏休みシーズンを前に多くの市場で需要が落ち着く時期にあたり、一部市場では航空便の減便や台風による欠航の影響も見られましたが、台湾・韓国・米国・インドなど15市場で6月として過去最高を記録しました。
また、2026年1月〜6月(上半期)の累計は2,108万4,800人となり、前年同期比2.0%減となりました。中国の大幅な落ち込みが全体を押し下げているものの、上半期としては2年連続で2,000万人を超える高水準を維持しています。
中国の大幅減と台風・閑散期が重なるも、幅広い市場で夏需要が立ち上がる
前年同月比マイナスとなった主な要因は2点です。
1つ目は中国の大幅減です。中国政府による日本への渡航自粛の注意喚起や航空便の減便が続いています。今年は昨年5月末に始まった端午節が6月中旬にずれ込み、本来であれば6月の訪日需要にとってプラス要因となるはずでしたが、それを上回る逆風により前年同月比57.3%減と大幅な落ち込みが続きました。5月(60.4%減)からはやや持ち直したものの、依然として中国一市場だけで全体を大きく押し下げる構図が変わっていません。
2つ目は季節要因と航空供給の制約です。6月は桜シーズンと夏休みシーズンの間で多くの市場が閑散期に入る時期であることに加え、2026年6月は台風による航空便の欠航が発生し、一部市場で訪日需要の重しとなりました。
一方で、祝日やスクールホリデーに合わせた訪日需要の高まりが東アジア・東南アジア・欧米豪・中東など幅広い地域で見られ、15市場が6月として過去最高を更新しています。

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国・地域別に見ると、以下のような傾向が見られます。
- 韓国(78.7万人/+7.8%):継続する訪日人気と航空座席数の増加で6月として過去最高
- 台湾(67.0万人/+14.6%):端午節の期ずれと増便が寄与し6月として過去最高
- 中国(34.1万人/-57.3%):渡航自粛喚起・減便が重なり大幅減が継続
- 米国(35.5万人/+2.7%):6月開始のスクールホリデー需要で6月として過去最高
- インド(3.6万人/+26.1%):新規就航・増便が続き6月として過去最高
国別動向
韓国
2026年6月の韓国からの訪日外客数は787,100人で、前年同月比7.8%増となり、6月として過去最高を記録しました。昨年は祝日による3連休があったのに対し今年は連休にならなかった影響などはあったものの、継続する訪日旅行人気に加え、前年同月と比較して航空座席数が増加したことが寄与しました。累計(1〜6月)でも前年同期比18.6%増と、際立った伸びが続いています。
台湾
台湾からの訪日外客数は670,400人で、前年同月比14.6%増となり、6月として過去最高を記録しました。継続する訪日旅行人気に加え、昨年5月末に始まった端午節が今年は6月中旬となったことや、前年同月と比較して航空座席数が増加したことが需要を押し上げました。累計(1〜6月)でも前年同期比20.9%増と、韓国とともに東アジア市場を力強く牽引しています。
中国
中国からの訪日外客数は340,700人で、前年同月比57.3%減と、引き続き大幅な落ち込みが続いています。中国政府による日本への渡航自粛の注意喚起に加え、航空便の減便が影響しました。今年は昨年5月末に始まった端午節が6月中旬にずれ込んだことでプラス要因もありましたが、それを打ち消す形で前年同月を大きく下回りました。累計(1〜6月)でも前年同期比56.4%減と、市場全体への影響が顕著に現れています。
香港
香港からの訪日外客数は214,300人で、前年同月比28.5%増となりました。昨年6月は日本で地震が発生するという情報がSNS等で拡散され訪日需要が落ち込んでいた反動に加え、端午節が今年は6月中旬となったことや、大学生を中心とした訪日需要の高まりもあり、前年同月を上回りました。
タイ
タイからの訪日外客数は48,000人で、前年同月比7.8%減となりました。夏場に向けて訪日需要が落ち着いていく時期であるなか、継続する訪日旅行人気はあるものの、航空便の減便や訪中旅行の継続的な人気が影響しました。
シンガポール
シンガポールからの訪日外客数は68,400人で、前年同月比0.3%減とほぼ横ばいとなりました。継続する訪日人気があるものの、祝日の期ずれにより訪日需要の一部が5月末に先行して発生していたことや、訪中旅行の継続的な人気が影響しました。
マレーシア
マレーシアからの訪日外客数は29,900人で、前年同月比6.4%増となりました。夏場に向けて需要が落ち着く時期であり、スクールホリデーの期ずれや訪中旅行の人気といった逆風はあったものの、継続する訪日旅行人気が上回りました。
インドネシア・フィリピン
インドネシアは52,700人(+2.4%)で、航空便の運休はあったもののスクールホリデーや継続する訪日人気が需要を支えました。フィリピンは59,900人(-5.2%)で、夏場に向けた需要の落ち着きに加え、祝日・スクールホリデーの期ずれや航空便の減便が影響し、前年同月を下回りました。
ベトナム
ベトナムからの訪日外客数は56,500人で、前年同月比6.7%増となり、6月として過去最高を記録しました。航空便の減便や訪中旅行の人気といった逆風はあったものの、スクールホリデーや2026年4月に就航したハノイ〜静岡間の新規路線が新たな需要を生み出しました。なお、留学・技能実習等を含む多様な訪日者層を持つ市場である点には留意が必要です。
インド
インドからの訪日外客数は36,100人で、前年同月比26.1%増となり、6月として過去最高を記録しました。2026年1月開設のデリー〜成田間の新規就航、デリー〜羽田間・ムンバイ〜成田間の増便に加え、ムンバイ〜羽田間の新規就航やスクールホリデー需要も重なりました。累計(1〜6月)でも前年同期比22.9%増と、南アジア市場としての勢いが鮮明です。
アメリカ
米国からの訪日外客数は354,500人で、前年同月比2.7%増となり、6月として過去最高を記録しました。継続する訪日旅行人気に加え、多くの地域で6月から始まったスクールホリデーが需要を押し上げました。累計(1〜6月)でも前年同期比7.1%増と、堅調な伸びを続けています。
カナダ・メキシコ
カナダは44,000人(+5.8%)で、6月下旬から始まったスクールホリデー需要などにより6月として過去最高を記録。メキシコは13,300人(+0.4%)で、自国開催のFIFAワールドカップ2026による旅行控えの影響がありながらも、継続する訪日人気で6月として過去最高を記録しました。
欧州(英国・フランス・ドイツ・イタリア・スペイン・ロシア)
欧州市場は多くの国で6月として過去最高を更新しました。英国は36,200人(+8.0%、経由便の多様化)、フランスは28,100人(+3.7%、若年層を中心とした需要増)、イタリアは21,500人(+6.8%、6月中旬開始のスクールホリデー)、スペインは20,500人(+12.9%、若年層需要とスクールホリデー)、ロシアは12,800人(+7.1%、経由便の多様化)といずれもプラス。一方でドイツは20,500人(-14.3%)と、昨年6月上旬にあった祝日が今年は5月下旬にずれ込んだ影響で前年同月を下回りました。
北欧地域
北欧地域(スウェーデン・デンマーク・ノルウェー・フィンランド)からの訪日外客数は22,100人で、前年同月比20.6%増となり、6月として過去最高を記録しました。6月から始まったスクールホリデーや訪日旅行に関する現地報道の増加に加え、ヘルシンキ〜羽田間の期間増便が需要を押し上げました。
中東地域
中東地域からの訪日外客数は22,600人で、前年同月比29.7%増となり、6月として過去最高を記録しました。昨年6月上旬にあったイスラム教の祝日が今年は5月下旬にずれ込む逆風はあったものの、継続する訪日人気に加え、一部路線における航空便の再開・増便やスクールホリデー需要が寄与しました。

中国を除けば15市場が6月最高—「多市場型」の訪日構造が一段と鮮明に
今回の前年比マイナスも、中国という一市場の急落が全体を大きく押し下げた結果です。中国は今年、端午節が6月中旬にずれ込むというプラス要因があったにもかかわらず前年同月比57.3%減となっており、渡航自粛喚起と減便の影響の大きさが改めて浮き彫りとなりました。
その一方で、韓国・台湾・東南アジア・欧米豪・中東・インドと地域を問わず15市場が6月として過去最高を更新しています。上半期累計で見ても、中国が前年同期比56.4%減となる中で総数は2.0%減にとどまっており、中国以外の幅広い市場が全体を下支えする「多市場型」の訪日構造が一段と鮮明になっています。
特に、中東地域(+29.7%)・インド(+26.1%)・北欧地域(+20.6%)といった新興・成長市場が高い伸びを示している点は注目に値します。購買力の高いこれらの市場は、越境ECのプレミアム市場・新規開拓市場としても今後の重要度が高まっています。
本格化する「夏」商戦、焦点は中国回復と夏需要の積み上がり
6月は閑散期にあたる月ですが、欧米豪や北欧などでスクールホリデーに伴う夏の訪日需要が立ち上がり始めた月ともいえます。今後7〜8月の夏休みピークに向けて、欧米・東南アジア・中東からの夏需要がどこまで積み上がるか、そして大幅減が続く中国需要に回復の兆しが見えるかが引き続き注目点となります。
なお、2026年3月に策定された第5次観光立国推進基本計画では、旅行者数・旅行消費額・地方部延べ宿泊者数などの政府目標が掲げられており、市場動向を綿密に分析した戦略的なプロモーションが求められる局面が続きます。
訪日インバウンド客は越境ECの潜在的なカスタマー層でもあります。訪日体験をきっかけに自国から再購入する越境EC需要の取り込みに向けて、ぜひWorldShopping BIZをご活用ください。
※本グラフは転載可能です
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- 執筆者

- Law(青木 哲郎) 株式会社ジグザグのBtoBマーケティングマネージャー。セミナー企画から記事執筆までBtoBマーケティング全体を企画、実行しています。