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越境ECの海外マーケティング方法・中国版LINE【WeChat(ウィーチャット/微信】

2022.11.16 /
ウェブインバウンド

世界最大のEC市場である中国は、日本企業にとって魅力的な越境ECの展開先です。

今年8月に発表された経済産業省の調査(※1)によると、2021年時点で中国のEC市場規模は2兆4,886億米ドル(348兆4040億円、1米ドル=140円換算)。越境ECについても、2021年の市場規模は1773億米ドル(24兆8220億円、同)で、2023年には2209億米ドル(30兆9260億円、同)に成長すると予測されています。

 

その、中国において欠かせないのがSNSでのマーケティングです。中国の越境EC利用者が商品購入の際に重視しているのは、いわゆる「口コミ」。

 

同調査によると、中国国内の越境 EC 利用者の商品の探し方は、「SNSやリンク先」が47%、「友人や家族のすすめ」が45%にものぼりました。ここでは中国版LINEとして名高い「WeChat(ウィーチャット/微信)」について説明していきます。

 

※1 経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」

https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005-h.pdf

 

WeChat(ウィーチャット/微信)とは

ウィーチャット(微信)とは、全世界で10億人以上の利用者がいる無料インスタントメッセンジャーアプリです。機能面は、日本でよく使われているLINEに似ています。2011年1月にテンセント社がリリースして以降、高い人気を誇り、中国人のスマートフォンユーザーは公私を問わず、ほぼ100%使用しているといわれています(※2)。

 

ウェイボーなど他のSNSとの違いは、基本的にはクローズドなサービスであるということです。原則として、情報発信先は自分のフォロワーに限られます。

 

一方で、ウィーチャットは現実世界の関係(家族や友人)でつながっていることが多いため、利用者にリーチできた場合、他のSNSよりも購買決定を後押しする力が強いといえます。ウィーチャットの個人アカウントのQRコードを名刺に乗せているビジネスマンも多く、中国現地向けだけでなく訪日インバウンド客向けPRにも利用されるようになっています。

 

また、決済機能サービスもあり、タクシーの料金、コンビニや公共料金の支払い、映画チケットの購入など様々な場面で使われており、中国国内の市民生活に根付います。 

 

※2 Chaina AD「WeChatについて」:https://www.china-ad.jp/column/wechat/

 

WeChatの国際版/中国国内版と、3種類の公式アカウントについて

ウィーチャットには、国際版と中国国内版があります。

 

国際版の公式アカウントは日本企業であれば申し込み可能ですが、中国国内版の利用者は閲覧できません。そのため、越境ECのPRチャネルとして開設する場合、中国国内版の公式アカウントを開設する必要があります。開設するには中国国内の電話番号を保有しているなど、さまざまな条件があります。中国で法人を設立、もしくは代理店を通して公式アカウントを開設してもらう方法が一般的です。

 

公式アカウントでは、公式広告でのPRや電子マネーであるWeChat Pay決済の利用、自社サイトやサービスへの誘導に効果的な外部サイトへのリンク掲載ができるようになります。また、フォロワーの分析が行える顧客管理やウィーチャット内にEC機能を持たせるといったことも可能です。

 

公式アカウントには3種類あり、それぞれ「企業アカウント(企業号)」「購読アカウント(訂閲号)」「サービスアカウント(服務号)」と呼ばれています(※3)。大きく分けて、企業アカウントは社内のコミュニケーション専用のアカウント、購読アカウントとサービスアカウントは社外へ情報発信するためのアカウントです。

 

フォロワーや見込み客とコミュニケーションを図れるのは、購読アカウントとサービスアカウントに限られます。購読アカウントは1日1回記事を発信でき、サービスアカウントは1カ月4回までとなっています。ただし、購読アカウントを取得できるのは、中国国内の個人ブロガーやメディアに限定されるため、一般的な日本企業による運用は現実的ではないでしょう。

 

サービスアカウントは、多くの企業が自社製品・サービスを紹介する際に役立てています。購読アカウントと違い、友人からのメッセージと同じレベルでユーザーに通知がなされるため、ユーザーに見てもらいやすいというメリットがあります。中国では「偽物」や「成りすまし」が横行しているため、消費者の信頼を獲得するためにも公式アカウントを取得することには大きな利点があるといえるでしょう。

 

※3 WeChat(微信)3つのアカウントの種類とその違い

 

 

中華圏SNSの特殊事情と、WeChat利用のメリット

ウィーチャットには国際版と中国国内版があることからも分かる通り、中国には独特のインターネットやSNSアプリの利用規制があります。香港・マカオ・台湾を除いた中国本土におけるネット検閲システムで、「グレート・ファイアウォール」もしくは「金盾(きんじゅん)」と呼ばれるものです。SNSやWebサイト、政府に対する批判的な意見やニュース、アダルトサイトなどが規制対象で、テキストだけでなく、画像や動画なども含め細部にわたり言論や情報の検閲が行われています。

 

ウィーチャットも例外ではありません。共産党幹部の1人が同僚をスパイするためウィーチャットを利用した事件があったほか、2022年4月にはウィーチャットなどを通して拡散した新型コロナウィルス感染拡大による都市封鎖で人的被害を訴える6分間の動画が、中国政府の検閲によって削除されました(※4)。

 

以上のような特殊事情のため、中華圏SNSの運用には常に繊細さが要求されるでしょう。一方、中国では、消費力の高い「Z世代」と呼ばれる1995年生まれ以降の若い層を中心にSNSの利用者が爆発的に伸びています。このことから、サービスや商品のアピールにはSNSを使ったWEB・デジタルマーケティングの活用がこれまで以上に求められています。

 

ウィーチャットはメッセージアプリとしてだけではなく、銀行取引やデート、ゲーム、ショッピング、ソーシャルメディアなど、中国の日常生活で必要とするほぼ全ての機能を網羅し、利用者数も膨大です。中国でのビジネスを志すなら、ウィーチャットは欠かせないツールとなっていくでしょう。上手に使えば、これまでは届かなかった層にリーチすることも可能になります。

 

※4 ブルームバーグ「中国人が愛し恐れる「ウィーチャット」、監視ツールか共闘の場か」

 

中国への越境EC進出をローコストで実現するために

越境EC事業の展開において、世界最大の市場を持つ中国への展開は大きな魅力があります。一方で、効果的な参入のためには中国の事情に配慮し、消費者が商品を購入しやすい環境を作ることが求められています。多言語対応や多種多様な決済対応などのECサイトの整備のほか、海外発送に必要な書類の作成や検品、梱包といったように多くの手間がかかるでしょう。

 

WorldShopping BIZはそのコストを大幅に減らすサポートを提供しています。月額の費用をお支払いいただき、御社のECサイトにタグを一行埋め込むだけで、多言語入力フォームやカスタマーサポート、多様な決済方法を備えられます。そのほか、不正決済対策、海外発送における必要書類の発行、梱包や検品、配送もすべてお任せいただけます。

 

中国の越境EC市場にご興味のある方は、ぜひWorldShopping BIZの導入を考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

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執筆者
橿村 芽久未

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