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【図解】訪日外国人数、2025年7月は343万7,000人!訪日中国人が大幅増加で累計前年同期比18.4%増-日本政府観光局(速報)

作成者: Law(青木 哲郎)|Aug 20, 2025 7:46:38 AM

日本政府観光局(JNTO)が2025年8月20日に発表した「2025年7月訪日外国人数*(推計値)」は343万7,000人となり、前年同月比4.4%増で、7月として過去最高を更新しました。2024年同期の329万2,602人を14万人以上上回り、累計では2,495万5,400人となり前年同期比18.4%増となっています。

 

夏場は一部市場で需要が落ち着く時期ですが、スクールホリデーに合わせた訪日需要の高まりが続き、中国、台湾、インドネシア、インド、米国、フランスなどを中心に訪日外国人数が伸びたことが7月の押し上げ要因となりました。

 

台湾や米国で単月過去最高を更新したほか、インドネシア、フランス、カナダなど15市場で7月として過去最高を記録しました。

 

 

※本グラフは転載可能です

 

計測23市場のうち15市場で7月として過去最高を記録

訪日外国人数を地域別で見てみると、多い順に中国が97万4,500人(前年同月比25.5%増)韓国が67万8,600人(同10.4%減)台湾が60万4,200人(同5.7%増)アメリカが27万7,100人(同10.3%増)香港が17万6,000人(同36.9%減)となりました。特に香港は、日本で地震が発生するという情報のSNS拡散や、台風接近による航空便への影響も重なり、訪日外国人数は前年同月を大きく下回りました。

※本グラフは転載可能です

 

東アジア

韓国

2025年7月の韓国からの訪日外客数は678,600人で、前年同月比10.4%の減少となりました。前年同月の757,679人を下回り、7月としては減速が目立ちました。

 

通常、韓国市場は日本にとって最大規模の訪日需要を持つ国の一つですが、今回は複数の要因が重なり減少傾向を示しました。まず大きな要因として挙げられるのは、日本で地震が発生したという情報がSNSで拡散されたことです。安全性への懸念が訪日を控える動きに直結し、短期旅行が多い韓国人旅行者の意思決定に強く影響しました。また、東南アジアや中国といった他の旅行先への需要の高まりも見られ、競合地域へのシフトが進んだことも要因といえます。

 

さらに韓国国内では夏の旅行需要が多様化しており、地方路線の復便や増便など航空座席数は増加したにもかかわらず、訪日需要を十分に押し上げるには至りませんでした。これらの背景から、韓国市場は7月として前年を下回る結果となり、安全情報と旅行先選好の変化が顕著に影響を与えた月であったといえます

 

台湾

2025年7月の台湾からの訪日外客数は604,200人で、前年同月比5.7%の増となり、単月として過去最高を更新しました。背景には、航空ネットワークの強化が大きく寄与しています。高雄~仙台間の新規就航や高雄~成田間の増便に加え、台北桃園~石垣間のチャーター便運航などにより座席供給が拡大しました。

 

さらに、台湾でも7月はスクールホリデーの時期にあたり、家族旅行を中心とする需要が堅調に推移しました。円安も訪日ショッピングの魅力を高め、物価優位性が旅行意欲を後押ししました。台湾は地理的に近く、訪日リピーター比率が高い市場ですが、こうした定常的な人気に加え、航空座席の増加と円安が相乗効果を生み、7月として過去最高を記録する結果につながりました

 

中国

2025年7月の中国からの訪日外客数は974,500人で、前年同月比25.5%の増加でした。上海~熊本間や青島~静岡間といった新規路線の開設、瀋陽~関西や上海~広島間の増便など、地方都市を中心とする航空ネットワークの拡充が寄与しました。加えて、クルーズ船の寄港も訪日需要を押し上げる要因となりました。

 

さらに、7月は中国のスクールホリデーシーズンであり、家族旅行を中心に訪日需要が高まったことも大きい要因です。円安の継続も購買意欲を高め、日本でのショッピング需要を後押ししました。訪日旅行の選好先としての日本人気が回復基調にある中で、航空アクセスの改善がタイミングよく重なり、前年を大幅に上回る過去最高水準となりました。

 

香港

2025年7月の香港からの訪日外客数は176,000人で、前年同月比36.9%の大幅減少となりました。香港市場はこれまで安定した訪日需要が見られていたものの、7月は複数の逆風が重なりました。特に大きかったのは、日本で地震が発生したという情報がSNSで広まり、安全面への懸念から旅行を控える動きが強まったことです。

 

さらに、7月中旬に香港へ台風が接近し、航空便が乱れたことで渡航が阻害されました。スクールホリデーの季節で一定の旅行需要はあったものの、外的要因が重なり前年割れを避けられませんでした。短期・リピーター需要が中心の香港市場は、災害や天候の影響を受けやすく、リスク情報が即座に旅行需要へ反映されることが今回の大幅減少に表れています。

 

豪州・北米

米国

2025年7月のアメリカからの訪日外客数は277,100人で、前年同月比10.3%の増加でした。背景には、6月から始まったスクールホリデーによる若年層を中心とした需要の高まりがありました。長期休暇を利用した家族旅行や学生旅行が増加し、日本人気の高まりが持続的に需要を押し上げています。

 

さらに、円安による旅行コストの割安感が購買力を持つアメリカ人旅行者にとって魅力を増しました。航空路線の安定供給により渡航環境が改善したこともプラス要因です。アメリカ市場は一人当たりの旅行消費額が高いことも特徴で、観光庁の重点市場のひとつですが、今回の結果はその重要性を裏付けるものとなりました。

 

カナダ

2025年7月のカナダからの訪日外客数は52,100人で、前年同月比8.2%の増加となりました。訪日需要が一段落しやすい夏場ではあるものの、スクールホリデーの影響で家族旅行を中心に需要が堅調に推移しました。

 

さらに、前年同月と比較して直行便の供給が増加していたことが渡航を後押ししました。加えて、円安の影響により旅行コストの割安感が高まり、購買意欲を高めたこともプラス要因です。カナダ市場は規模こそ米国に比べて小さいものの、安定して増加傾向にあり、直行便ネットワークと為替要因が相まって需要を押し上げる構図が続いています。結果として、過去最高水準を更新する力強い結果となりました。

 

豪州

2025年7月の豪州からの訪日外客数は50,200人で、前年同月比3.3%の増加でした。前年は6月下旬から始まっていた一部州のスクールホリデーが今年は7月からとなったため、訪日需要がこの月にシフトしたことが追い風となりました。

 

ただし、一部路線では減便があり航空座席数は前年より減少していましたが、それでも訪日人気の高さが堅調な需要を支えました。豪州市場はウィンターバケーションに日本を選ぶ層が多く、スキーや避暑目的の旅行が人気です。円安も購買意欲を高め、旅行消費にプラスの影響を与えました。結果的に、航空供給の制約を超えて過去最高を更新する強い需要が確認されました。

 

 

※本グラフは転載可能です

 

※本グラフは転載可能です