2023年7月、Meta社が新たなSNS「Threads(スレッズ)」をリリースしました。Instagramと連携し、X(旧Twitter)に似た短文投稿型のプラットフォームとして、リリース直後から世界中で話題となっています。
中でも台湾は、Threadsの利用者数が世界でもトップクラスという突出した人気を誇ります。台湾では「脆(ツゥエ)」という愛称で呼ばれ、芸能人やインフルエンサー、政治家までもがこぞってアカウントを開設し、日常的な情報発信の場として定着しました。
この人気は、単なるSNSトレンドにとどまりません。台湾向けに越境ECを展開する、あるいはこれから展開しようとしているショップにとって、Threadsは「今、台湾の消費者に直接リーチできる数少ない場所」になりつつあります。本記事では、Threadsが台湾で流行っている理由を解説したうえで、越境ECの現場でどう活用できるかを整理します。
Threadsは、Instagramのアカウントと連携して使える新しいSNSで、テキストベースのコミュニケーションを軸にしています。Twitterと同様に、短い文章・写真・動画を投稿でき、気軽に発信・交流ができる点が特徴です。台湾では冒頭で触れた通り「脆」という通称で親しまれています。
台湾でThreadsが急速に普及した背景には、主に次の5つの理由があります。
台湾はもともとInstagramの利用率が高く、特に若年層への浸透が進んでいます。既存のInstagramアカウントでそのまま始められる手軽さが、スムーズな移行を後押ししました。
気軽に、短い文章でやり取りしたいという台湾ユーザーのニーズに、Threadsの短文投稿というフォーマットが合致しました。
台湾の人気インフルエンサーが早い段階からThreadsを使い始め、フォロワーとの密なコミュニケーションを図ったことで、一般ユーザーの関心も一気に高まりました。
政治家が情報発信や意見交換の場としてThreadsを使うケースが多く、一般ユーザーの政治参加を促す役割も果たし、プラットフォーム全体の活性化につながっています。
グルメ、エンタメ、ライフスタイルなど、共通の関心を持つ人々が集まるコミュニティが数多く形成されており、これがユーザーの定着率の高さを支えています。
上記の背景を踏まえると、Threadsは台湾の消費者と「日常的な文脈」で接点を持てる場だとわかります。これは越境ECにとって、いくつかの点で大きな意味を持ちます。
WorldShopping BIZを導入しているショップであれば、決済・配送まわりの越境対応はすでに整っているため、あとは「台湾の消費者に見つけてもらう」導線づくりに集中できます。Threadsはその導線の一つとして、低コストで試しやすい選択肢です。
Threadsでの露出を増やすために、越境ECショップが押さえておきたい基本を4つ紹介します。
Threadsは「インタラクション率」を重視するアルゴリズムです。他のユーザーの投稿にコメントしたり、リポストしたりすることで露出が高まりやすくなります。ショップアカウントも、一方的な発信だけでなく、台湾ユーザーの投稿への反応を積極的に行うことがリーチ拡大につながります。
Threadsのアルゴリズムは「中央集権型」と「分散型」を組み合わせています。フォロワーが多いアカウントは基本的なトラフィックを得やすい一方(中央集権型)、フォロワーが少なくても魅力的なコンテンツであれば大きな露出を獲得できる可能性があります(分散型)。立ち上げたばかりのショップアカウントでも、コンテンツの質次第でチャンスがあるということです。また、投稿から4時間ほど経ってからのリポストは、2回目のトラフィックピークを生み出す効果が期待できます。
Threadsは投稿内のキーワードに基づいてコンテンツを配信する仕組みを持っています。「日本 コスメ」「越境EC」「直送」など、ターゲットとなる台湾の消費者が検索・関心を持ちそうなキーワードを投稿に含めることで、見てもらえる機会を増やせます。
Threadsは2026年から世界的に広告配信が本格展開されており、これまでの「オーガニックのみ」から一歩進んだ運用が可能になっています。とはいえ、いきなり広告予算を投じるのではなく、次のような段階を踏むのが現実的です。
まず、オーガニック投稿で反応の良かったコンテンツ(コメントやリポストが多く付いた投稿)を見極めます。Threadsは分散型のアルゴリズムを持つため、フォロワーが少なくても「刺さる投稿」が見えてくるはずです。その投稿を、Meta広告マネージャーからThreads面への配信で追加露出させることで、すでに反応が実証済みのクリエイティブに広告予算を投じることができ、費用対効果を高めやすくなります。
また、Facebook・Instagramで既に広告運用しているショップであれば、新しい管理画面を覚える必要はなく、配置(プレースメント)の選択肢にThreadsを追加するだけで始められる点もハードルの低さにつながります。
台湾向けの越境ECという文脈では、まずは商品レビューや日本限定品の紹介などをオーガニックで発信してコミュニティ内の反応を見ながら、季節のセールやキャンペーン時期にピンポイントで広告出稿を組み合わせる、という使い分けが考えられます。
Threadsは、Instagramとの連携のしやすさ、短文投稿へのニーズ、インフルエンサーの影響力、政治家の活用、コミュニティ形成といった要因が重なり、台湾で急速に普及しました。有料広告に依存しない露出獲得の仕組みは、これから台湾向けの認知を広げたい越境ECショップにとって特に相性の良いポイントです。
積極的なインタラクション、アルゴリズムの理解、キーワードを意識した発信という3つを押さえることで、台湾の消費者との接点を着実に増やしていくことができます。WorldShopping BIZを通じて台湾展開を進めているショップは、まずはThreadsアカウントの開設と、日常的な発信からぜひ試してみてください。